眠りに入るとは
今、布団の中から窓を見ている。
窓から入ってくる、ひんやりとした風が髪や頬にあたる。
その冷たい風に乗って、遠くで電車が走る音がかすかに聞こえてくる。
体で風を感じ、風に乗って運ばれてくる電車や虫の音、車の音に耳を傾ける。かすかに草の匂いも漂ってくる。
五感が研ぎ澄まされると、やがて意識は、ふわふわし空気のようになる。窓から入るひんやりとした風や私のいる空間、私の意識、全てが解け始める。やがて、わたしという物体はなくなり世界と一体になる。
この肉体と空間との融合により私の意識は薄れていき、眠りにつく。
意識の中では、眠ることとは肉体と空間の融合なのかもしれない。